エステル・ガルシア映画国民賞2018授与式はタバカレラ国際センターで2018年09月26日 17:15

    「私たち女性は製作に優れた才能を発揮しています」とエステル・ガルシア

 

エステル・ガルシア映画国民賞受賞の知らせをアップしたばかりですが、予定通り去る22日サバルテギ-タバカレラ部門が上映されるタバカレラ現代文化国際センターで、ホセ・ギラオ・カブレラ教育文化スポーツ相から賞状を受け取りました。プレゼンターを務めたカンヌ映画祭の総ディレクター、ティエリー・フレモー、映画産業界関係者が駆けつけ、大臣が賞状を授与したときには会場がどよめいた。昨年の受賞者アントニオ・バンデラスもタバカレラでした。授与式はサンセバスチャン映画祭開催中に行われるのが決まりです。

エステル・ガルシアの紹介記事は、コチラ20180917

 

           

           (文化大臣から賞状を受け取るエステル・ガルシア)

 

★今回のように深い愛のこもった感動的な授与式は稀れだったようです。紹介記事にも書いたように「女性プロデューサー初の受賞者」、表舞台には現れない縁の下の女性が受賞したことは、後ろに続く女性たちにも朗報だったに違いない。スターでない20人以上の女性たち、プロデューサー、脚本家、監督、技術部門のスタッフ・・・が壇上に上がって喜びを分かち合った。ホセ・ギラオ大臣は黒一点(?)でした。下の写真でエステル・ガルシアが手にしている赤い扇子には「もっと女性にチャンスを」と書かれている。今年のゴヤ賞ガラから登場している扇子です。

 

     

    (赤い扇子を手にしたガルシアと応援に馳せつけた女性シネアストたち)

 

★「私は製作者で女性です、両方とも順調だと感じています」、たいていの方は製作の仕事がどういうものか知らない。フィルム構成の複雑な手順など頭痛のタネは尽きません。「製作という仕事には才能が必要です。何を選ぶか決心するのはとても難しい。どんな映画が成功するか知るには、経済的な側面だけでなく何よりも芸術的な視点が必要です」と受賞者。石器時代から女性に課せられてきた仕事をしているが、男性も女性の仕事を分担して欲しい。人口の半分は女性、不平等の解決策は、家庭や学校での教育、これが「解決の揺るがない確信」だとも。

 

     

            (喜びのスピーチをするエステル・ガルシア)

 

★ホセ・ギラオ大臣によると、受賞の決めての一つになったのが、女性の地位向上・機会均等を目標にした女性シネアスト・グループ CIMA の活動を上げていた。「文化、芸術としての映画に対する支持は、これから後に続く世代のお手本になる」と授賞理由を述べた。

 

★エステルをエスコートしたのはアグスティン・アルモドバルとアルモドバル作品の常連ハビエル・カマラ、「映画界がまだ女性の平等など語ることのなかった前から仕事を始めた」とそのパイオニア性を語ったカマラ、エル・デセオで30年以上も共に仕事をしてきたアグスティン・アルモドバルは「優れた製作の鍵は、アーティストがその夢を叶えるために、彼ら自身の創造的な限界を超えた闘いを、良い方向に進めること、それを外部から課せられるのではなく、エステルが自らやっている」と、映画に対する情熱と倫理観を強調した。

 

    

  (30年以上の仕事仲間アグスティン・アルモドバルと、SSIFF2018ノミネーション発表時)

 

★ここに当然いるべき人で最大の欠席者ペドロ・アルモドバルは、次回作Dolor y gloria917日にクランクアップ、マドリードに戻って20日から編集に取りかかった途端、日夜働きづめで溜め込んでいたストレスでダウン、マドリードからの移動は無理だったということでした。エアゾール吸入剤で話せない状態とか、大分重症のようです。

 

★ガラの主な出席者は、スペイン映画アカデミー会長マリアノ・バロッソ、プロデューサーのヘラルド・エレロエドゥアルド・カンポイ、監督のイマノル・ウリベチュス・グティエレスマベル・ロサノCIMA新会長クリスティナ・アンドリュー監督(今年6月から)など。


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