是枝裕和監督、ドノスティア賞を受賞*サンセバスチャン映画祭2018 ①2018年07月03日 06:44

               アジア初の受賞者、パルムドールの威力は絶大?

 

      

   

★ちょっとびっくりしました。サンセバスチャン映画祭SIFF9月下旬開催ですから、まだ先の話と思っていましたが、先月29日に「是枝監督ドノスティア賞受賞」の記事が目に飛び込んできました。ドノスティア賞はいわゆる栄誉賞または功労賞にあたり、SIFFの数ある賞のうちでも一番大きい賞です。例年だと8月から9月にかけて発表されるので、629日は異例の早さです。節目の年には複数選ばれ、昨年の第65回はフランスからアニエス・ヴァルダ、イタリアからモニカ・ベルッチ、ラテンアメリカ初の受賞者リカルド・ダリン3人でした。今年もあと一人ぐらい増えるかもしれません。受賞者の多くはハリウッドで活躍しているシネアストです。第66回の開催期間は921日~29日です。

ドノスティア賞2018受賞者の記事は、コチラ20170930

 

     

        (エル・パイス紙にはこんな是枝監督の写真が掲載されました)

 

★授与式の日程は未定ですが、ビクトリア・エウヘニア劇場でトロフィーが渡されます。当日には『万引き家族』Un asunto de familiaのスペイン語題で上映されるようです。スペイン語に<万引き>「買うふりをして店のものをそっと盗む」という単一単語はなく、直訳すると「家族のある商売」ぐらいでしょうか。商売も不正取引など汚いイメージの場合に使用する単語です。というわけでこの家族の商売がよからぬことであることが分かります。因みにフランス語題は「Une affaire de famille」、英語題は「Shoplifters」です。サンセバスチャン映画祭の第一報がこんな形で始まるのは、今後多分ないでしょう。

 

★サンセバスチャン映画祭での是枝映画は10本あり、第2作目『ワンダフルライフ』(98)がコンペティション部門に出品されたのを皮切りに、2006年『花よりもなほ』、2008年『歩いても歩いても』、2011年『奇跡』(脚本賞)ほか、サバルテギ特別上映で最近の5作(『そして父になる』『海街diary』など)が上映されています。この2本は観客賞も受賞している。スペインでも宮崎駿、河瀨直美などと同じように馴染みのある監督の一人です。

 

★是枝監督については受賞記事よりも「文科相の祝意を拒んだ」とか、「安倍首相が祝意を表さない」とか場外戦のほうが賑やかですが、封切り3週間で200万人はこれまた驚きです。パルムドールの威力は大したものです。「高がカンヌ、されどカンヌ」です。まだまだ記録は更新されることでしょう。


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