ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2017*結果発表2017年05月20日 15:51

               スペイン映画が作品賞と監督賞を受賞しました!

 

     

        (映画祭ポスターを背にした作品賞受賞者アドリアン・オル)

 

★カンヌ映画祭も開幕、オープニング作品、アルノー・デプレシャンの「Ismael's Ghost」が評判を呼んでいるようです。出演者はマチュー・アマルリック以下キラキラ星だから話題性に事欠かない。翌日には「ある視点」のオープニング作品「Barbara」も上映され、今年のアマルリックは何かの賞に絡みそうですね。カンヌに比べればブエノスアイレス・インディペンデント映画祭BAFICIなど吹けば飛ぶような存在ですが、今年は当ブログに登場させたスペイン映画が作品賞や監督賞を受賞したのでアップいたします。

 

BAFICIBuenos Aires Festival Internacional de Cine Independiente)ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭、長いのでBAFICIで表記されることが多い。ブエノスアイレス市で1999年から始まった国際映画祭。今年19回を迎え、年々内容を充実させておりますが、国際映画製作者連盟FIAPF公認ではなく、現在に近い陣容になったのは2008年の第10回からです。最初はインターナショナル部門の作品賞・監督賞・男優賞・女優賞・観客賞の5個だけでした。現在のオフィシャル・セレクションインターナショナル部門とアルゼンチン部門に大別され、ほかにコンペティションは、ラテンアメリカアバンギャルド&ジャンル人権アルゼンチン短編6部門、回によってカテゴリーの名称変更が目まぐるしい。そのほか賞には絡まない特別上映があります。今年は昨年死去したイランのアッバス・キアロスタミ、生誕100&没後50年のビオレタ・パラ(チリ、191767)、没後25年のアストル・ピアソラ(アルゼンチン、1992)についてのドキュメンタリー映画が上映されたようです。2016年の入場者は約38万人、今年は大台の40万台に達しました。

 

★主な受賞作品、インターナショナル・コンペティション部門の作品賞は、アドリアン・オルOrrの長編ドキュメンタリーNiñato(西)の驚きの受賞、本作は当ブログ初登場です。マラガ映画祭2017の「金のビスナガ」受賞を果たしたカルラ・シモンのデビュー作Verano 1993(西)が監督賞とワールド・カトリックメディア協議会によるSIGNIS賞、さらに観客賞も受賞しました。オリジナル・タイトルはカタルーニャ語の「Estiu 1993です。キロ・ルッソViejo calavera(ボリビア=カタール)は審査員特別賞、撮影監督パブロ・パニアグアの撮影賞ADF受賞、これは納得です。本作はサンセバスチャン映画祭2016「ホライズンズ・ラティノ」部門のスペシャル・メンション受賞作、カルタヘナ映画祭2017の作品賞も受賞している。アルゼンチン・コンペティション部門の作品賞は、BAFICIの常連受賞者アレホ・モギジャンスキーLa vendedora de fósforosでした。またアバンギャルド&ジャンルでは、ガリシアのオリべル・ラシェ(またはオリヴェル・ラセ)のMimosas(モロッコ=西==カタール)がスペシャル・メンションを受賞、カンヌ映画祭2016「批評家週間」でのグランプリ受賞を皮切りに国際映画祭巡りをした異色作でした。 

   

カルラ・シモンの「Verano 1993」の紹介記事は、コチラ2017222

 

 

(今では本当の家族のようになったというシモン監督を囲む出演者たち、マラガ映画祭にて)

 

キロ・ルッソの「Viejo calavera」の紹介記事は、コチラ201695

 

 

                      (撮影賞を受賞した美しい映像、映画から)

 

オリベル・ラシェの「Mimosas」の紹介記事は、コチラ2016522

 

  

 

★次回に未紹介の主な受賞作、作品賞受賞のアナウンスに会場は驚きに包まれたというアドリアン・オルOrrの長編ドキュメンタリーNiñato」やアレホ・モギジャンスキーLa vendedora de fósforos」などのプロットや監督キャリア紹介をいたします。