ハビエル・バルデム*古典ホラー『フランケンシュタイン』のリブートに出演?2016年07月25日 15:33

         フランケンシュタイン博士、あるいはモンスター役?

 

★ショーン・ペンのアフリカ内戦もの『ザ・ラスト・フェイス』(“The Last Face”)が今年のカンヌ映画祭でワールド・プレミア、シャーリーズ・セロンと共演(公開が予定されている)、今年夏公開が予定されていた「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ第5は遅れて来年になる由、久々のスペイン語映画フェルナンド・レオン・デ・アラノアのEscobar(麻薬王パブロ・エスコバルのビオピック、妻ペネロペ・クルスと共演)、ダーレン・アロノフスキーの新作ジェニファーローレンスと出演、更にイランのアスガル・ファルハディの新作に夫婦で出演、来年夏にはスペインでのクランクインが予定されている。

 

★“Escobar”は、コロンビアのメデジン・カルテルの麻薬王パブロ・エスコバルの伝記映画。エスコバルの1980年代の愛人、元ジャーナリストのビルヒニア・バジェッホの同名回想録“Amando a Pablo, odiando a Escobar”(2007年刊)の映画化。バルデムがエスコバル、クルスが愛人ビルヒニアになります。

 

    

             (ハビエル・バルデムとペネロペ・クルス)

 

★そして今回アナウンスされたのが、1930年代にユニバース・ピクチャーズが製作した一連のホラー映画の一つ『フランケンシュタイン』のリブート出演のニュースです。本作はイギリスのメアリー・シェリー(17971851)が、1818年に匿名で発表したゴシック小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』を、1931年にジェイムズ・ホエールが映画化したもの(当時の女性作家は匿名)。ボリス・カーロフが扮した怪物の造形イメージが今日でもモンスター像として定着している。小説と映画の人物造形にはかなりの違いがあり、新作が原作重視か、あるいは映画重視かは分からない。そもそもバルデムがフランケンシュタイン博士になるのかモンスターになるのかさえ不明である。今後も紆余曲折がありそうです。製作は2019年と大分先になるようだ。

 

  

       (ボリス・カーロフ、1931年映画版のフランケンシュタインの怪物)

 

★ジェイムズ・ホエールは1935年に『フランケンシュタインの花嫁』も監督しており、モンスターは同じくボリス・カーロフが扮した。こちらには原作者のメアリー・シェリーまで登場するというもので、ますます原作から離れてしまっている。新作「フランケンシュタイン」には、両作を合体させるのかもしれない。資金力はあっても企画力が乏しくなっているせいか、リブートだのリメイクだの新鮮味に欠けるニュースのご紹介です。

 

★新作は、昨年の夏以来、アレックス・カーツとクリス・モーガンを主軸に、ユニバース・ピクチャーズが「古典モンスター映画」のリブートを企画した第3作目に当たる。第1作は『ミイラ再生』(1932)の“The Mummy”、トム・クルーズが主役のタイラー・コルトに、ラッセル・クロウがジキル博士を演じた。このジキル博士役のオファーをバルデムが断ったと聞いている。20176月公開予定。第2作が『透明人間』(1933)、ジョニー・デップが主役を演じる。

 

アスガル・ファルハディの新作の記事は、コチラ⇒2016年06月06