イベロアメリカ映画にスペイン協同賞新設*サンセバスチャン映画祭2015 ⑧2015年09月23日 15:33

        優れたイベロアメリカ映画に賞金15,000ユーロを授与

 

★サンセバスチャン映画祭ディレクター、ホセ・ルイス・レボルディノスが、「スペイン協同賞」を新設したと発表した。対象は本映画祭「コンペティション」「ホライズンズ・ラティノ」「ニュー・ディレクターズ」の3部門にノミネーションされたイベロアメリカ映画(スペインとの合作)。さらに人類の発展、貧困の根絶、基本的人権の完全な行使に寄与しているなどの条件付き、製作者に与えられる賞です。かなり社会的政治的な意味合いが濃い。

 

★今年の例で言うと、「コンペティション」部門では、“El rey de La Habana”(アグスティ・ビリャロンガ『ザ・キング・オブ・ハバナ』ドミニカ共和国)、“Eva no duerme”(パブロ・アグエロ、アルゼンチン)の2作、「ホライズンズ・ラティノ」では、“El abrazo de la serpientes”(チロ・ゲーラ、コロンビア)、“El botón de nácar”(パトリシオ・グスマン『真珠のボタン』チリ)、“Ixcanul”(ハイロ・ブスタマンテ『火の山のマリア』グアテマラ)、“Paulina”(サンティアゴ・ミトレ『パウリナ』アルゼンチン)、“La tierra y la sombra”(セサル・アウグスト・アセベド『土と影』コロンビア)などが候補になっている。

 

★映画祭実行委員長のレボルディノスは、新設した賞の目的は「新しい才能発掘の促進、映画プロジェクトの活性化、そして映画の商品化や国際化を強化するため」に設けられたと説明した。映画祭で高評価を受けても、完成したときに資金が底をつき、プロモーションに回すだけの余裕が残っていない現状がありますね。賞金15,000ユーロが多いか少ないかは別として、製作者たちへの「応援歌」の足しにはなりそうです。審査員は、ルベン・ロペス・プリド(スペイン協同通信部長)、パブロ・ベラステギ(サンセバスチャン2016のディレクター)、ハイオネ・アスカシバル(バスク文化通信部長)で構成されることになっている。写真中央のイジアル・タボアダは、スペイン協同局AECIDの文化科学担当ディレクター。

 


    (賞新設の発表をした左から、レボルディノス、イジアル・タボアダ、プリド)

 

★映画祭も後半に入りました。ラテンビート上映予定のデ・ラ・イグレシアの『グラン・ノーチェ~』も上映済み、批評家の評判は如何に?