第2回イベロアメリカ・プラチナ賞*ノミネーション発表 ― 2015年06月11日 21:14
『人生スイッチ』が最有力候補
★プレセレクションの大枠をアップしておりますが、5月27日正式ノミネーションが発表になりました。アリエル賞2015でイベロアメリカ映画賞を受賞したダミアン・シフロンの『人生スイッチ』(アルゼンチン≂スペイン)が一番手を走っているというのが各国メディアの下馬評です。続いてスペインのゴヤ賞作品賞他受賞の“La isla minima”が二番手を走っている模様です。これから7月18日の授賞式に向けて賞レースが始まります。『人生スイッチ』の日本公開は7月25日から。プラチナ栄誉賞はアントニオ・バンデラスがアナウンスされました。ゴヤ賞2015で体験済み、今度は緊張しないでしょう。

主なカテゴリー候補は以下の通り(13カテゴリー):
*作品賞
Conducta (キューバ)ノミネーション8個
La
isla mínima (スペイン)同9個
MR.
Kaplan (スペイン、ウルグアイ)同9個
Pelo
malo (ベネズエラ、ペルー、アルゼンチン)同8個
Relatos
salvajes (アルゼンチン、スペイン)同10個、邦題『人生スイッチ』
*監督賞
アルベルト・ロドリゲス La isla mínima (スペイン)
アルバロ・ブレチネル MR. Kaplan (スペイン、ウルグアイ)
ダミアン・シフロン(ジフロン) Relatos salvajes (アルゼンチン、スペイン)
エルネスト・ダラナス Conducta (キューバ)
マリアナ・ロンドン Pelo malo (ベネズエラ、ペルー、アルゼンチン)
*脚本賞
アルバロ・ブレチネル MR. Kaplan
ダミアン・シフロン Relatos salvajes
エルネスト・ダラナス Conducta
マリアナ・ロンドン Pelo malo
ラファエル・コボス&アルベルト・ロドリーゲス La isla mínima
★なんとまあ、作品賞・監督賞・脚本賞が5作品に集中、ほかにも編集賞・美術賞・撮影賞・録音賞も同じ顔ぶれ、もうゲンナリしています。合計23カ国の映画関係者が年に一度集まるお祭りとはいえ、もう少し変化が欲しい。ノミネーションの数が多くても無冠ということもありますが、他の作品は見ていないのかしら。“Pelo malo”は2013年製作と古く、2014年製作が選出対象だから意外なノミネーション。サンセバスチャン映画祭2013のコンペに選ばれ、審査員の全会一致で金貝賞を受賞した作品です。

(『人生スイッチ』のシフロン監督)

(マリアナ・ロンドンの“Pelo malo”)

(脚本賞ノミネーションのラファエル・コボスとアルベルト・ロドリゲス)
*男優賞
ベニチオ・デル・トロ Escobar: Paraiso perdido(スペイン、パナマ)
ハビエル・グティエレス La isla mínima (スペイン)
ホルヘ・ペルゴリア La pared de las palabras(キューバ)
レオナルド・スパラグリア 『人生スイッチ』(アルゼンチン、スペイン)
オスカル・ハエナダ Cantinflas(メキシコ)
*女優賞(6名)
エリカ・リバス 『人生スイッチ』(アルゼンチン、スペイン)
ジュラルディン・チャップリン Dólares de arena (ドミニカ共和国、アルゼンチン、メキシコ)
ラウラ・デ・ラ・ウス Vestido de novia (キューバ)
レアンドラ・レアル O lobo atrás da porta (ブラジル)
パウリナ・ガルシア Las analfabestas (チリ)
サマンサ・カスティージョ Pelo malo(ベネズエラ、ペルー、アルゼンチン)
★混線模様なのが男優賞と女優賞。キューバのホルヘ・ペルゴリア(『苺とチョコレート』)が久しぶりに登場、動くことも話すこともできない病人役に挑戦、見るのが辛い映画です。監督フェルナンド・ペレス(『永遠のハバナ』)の4年ぶりの新作。キューバと言えばいつもエルネスト・ダラナスの“Conducta”だけだった。 オスカル・ハエナダはスペインの俳優ですが、メキシコ映画、<カンティンフラス>については「アリエル賞2015」でご紹介しています。

(ホルヘ・ペルゴリア)

(オスカル・ハエナダ)
★米国国籍のジュラルディン・チャップリンのノミネーションも珍しい。同名小説の映画化、イスラエル・カルデナスとラウラ・アメリア・グスマンの共同監督。フランスからドミニカにやってきて、若い娼婦に魅了されるた中年女性に扮する。『グロリアの青春』で前回の受賞者となったパウリナ・ガルシアが連続でノミネートされている。“Las analfabestas”(2013)はモイセス・セプルベダのデビュー作、ただチリ公開が2014年、今年のチリは寂しい(ベルリン映画祭2015の審査員賞グランプリを受賞したパブロ・ララインの“El Club”は第3回になります)。他は音楽賞に『リアリティのダンス』(2013)のアダン・ホドロフスキーがノミネートされています。アレハンドロ・ホドロフスキー監督の四男、アナーキストにも扮していた。音楽賞もなかなかの混線です。

(ジュラルディン・チャップリン)
★授賞式は7月18日、スペインのマルベーリャで開催されます。
関連記事*管理人覚え
◎第1回イベロアメリカ・プラチナ賞の記事⇒2014年2月20日/3月18日/4月17日
◎第2回イベロアメリカ・プラチナ賞のプレセレクション⇒2015年3月28日
最近のコメント