デ・ラ・トーレ「マラガ賞」受賞*マラガ映画祭2015 ① ― 2015年03月19日 13:02
マラガ映画祭2015の特別賞が発表
★今年の第18回マラガ映画祭は、4月17日開催26日閉幕です。本映画祭にはコンペティション以外に特別賞として本映画祭に貢献したシネアストに贈られるマラガ賞、リカルド・フランコ賞、エロイ・デ・ラ・イグレシア賞、レトロスペクティブ賞、昨年カルロス・サウラが手にした「金の映画」があります。当ブログでは昨年各賞の性格、特徴について触れております。コンペの前段として受賞者の名前を簡単にお知らせいたします。お馴染みのシネアストが受賞者です。
マラガ映画祭2014⇒2015年04月07日
◎マラガ賞 アントニオ・デ・ラ・トーレ(前回の受賞者マリベル・ベルドゥ)
★一番の大賞、地中海を見下ろす遊歩道に等身大の記念碑を建ててもらえます。映画祭が開催されれば写真が公開されるはずです。デ・ラ・トーレについては、毎年ゴヤ賞の主演・助演賞にノミネーション、公開作品やラテンビート上映などでお馴染みですから紹介は割愛いたします。
◎リカルド・フランコ賞 キコ・デ・ラ・リカ(前回は美術監督ジル・パロンド)
★この賞は、スペイン芸術映画アカデミーとのコラボで選ばれ、スペイン映画に独自の映画スタイルを取り入れ、カメラ・ワークの分野などで高度な技術を駆使する信頼のおける人に与えられます。リカルド・フランコをおさらいすると、1949年マドリード生れ(1998、心筋梗塞で死去)、監督、脚本家、俳優、製作者。哲学者フリアン・マリアスの甥、作家ハビエル・マリアスは従兄弟、伯父ヘスス・フランコ監督の助監督として出発した。代表作は「カンヌ映画祭1976」のコンペに出品された『パスクアル・ドゥアルテ』、ノーベル賞作家カミロ・ホセ・セラの『パスクアル・ドゥアルテの家族』の映画化です。「第1回スペイン映画祭1984」で上映されました。他に「スペイン映画祭1998」で長編10作目となる『エストレーリャ~星のまわりで』が紹介されただけと思います。ゴヤ賞1998の最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、アントニオ・レシネスに主演男優賞をもたらした秀作。
★キコ・デ・ラ・リカ Kiko de la Rica:1965年ビルバオ生れ、撮影監督。1980年代の末ごろからオーディオビジュアルの世界に入る。49歳という中堅ながら確かな仕事ぶりで多くの監督から信頼されております。同郷同年生れのアレックス・デ・ラ・イグレシアの最近の作品は今や彼の専売特許です。例えば『みんなの幸せ』を皮きりに『オックスフォード殺人事件』『気狂いピエロの決闘』『刺さった男』『スガラムルディの魔女』、他にパブロ・ベルヘルの『トレモリノス73』、イシアル・ボリャインの“Mataharis”、フリオ・メデムの『ルシアとSEX』、ハイメ・デ・アルミニャン、ハビエル・レボージョなど。ゴヤ賞ノミネーションの常連でしたが、2013年パブロ・ベルヘルの『ブランカニエベス』で初の撮影監督賞を受賞しました。ベルヘルは昨年の「エロイ・デ・ラ・イグレシア賞」の受賞者です。
◎エロイ・デ・ラ・イグレシア賞 パコ・レオン(前回はパブロ・ベルヘル監督)
★エロイ・デ・ラ・イグレシアは、1944年バスク自治州ギプスコア生れの監督、2006年癌で死去。バスク映画祭上映の『ブルガリアの愛人』(2003)が遺作。フランコ時代から問題作を撮りつづけていた監督ですが、当時は批評家の無理解もあって正当に評価されていないと思います。1972年の“La
semana del asesino”が『カンニバルマン 精肉男の殺人記録』の邦題でDVDが発売されているだけか。
★パコ・レオン Paca Leon:1974年セビーリャ生れ、監督、俳優、製作者。マラガ映画祭2012で監督デビュー、第1作“Carmina o revienta”に続いて、カルミナ第2弾“Carmina y amén”(2014)もマラガでプレミアしております。現在はフアナ・マシアスのコメディ“Embarazados”に俳優業に専念しているはずです。
“Carmina o revienta”はコチラ⇒2013年8月18日(ゴヤ賞2013新人監督賞の項)
“Carmina y amén”はコチラ⇒2014年4月13日(マラガ映画祭2014)
“Embarazados”はコチラ⇒2014年12月27日(フアナ・マシアスの新作紹介)
◎レトロスペクティブ賞 イサベル・コイシェ(前回は俳優ホセ・サクリスタン)
★本映画祭の貢献賞または栄誉賞の意味合いが強い賞。昨年から今年にかけてのコイシェの活躍は目を見張るものがあります。当ブログでは英語映画にもかかわらずその都度ご紹介しております。マラガ映画祭では“Learning to drive”が上映されるようです。他にサイコ・スリラー“Another Me”やベルリン映画祭のオープニングに選ばれた“Nadie quiere la noche”など、現在はニューヨークで次回作の脚本執筆中。
“Learning to drive”はコチラ⇒2014年8月13日(トロント映画祭2014)
“Another Me”はコチラ⇒2014年7月27日
“Nadie quiere la noche”はコチラ⇒2015年3月1日(ベルリン映画祭2015)
◎「金の映画」 (前回の受賞者はカルロス・サウラ)
★こちらはオーソン・ウェルズの『フォルスタッフ』(1965)、次回にアップします。
★コンペティションについても、いずれアップいたします。
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