アレックス・デ・ラ・イグレシア特集 『メッシ』 Q&A *LB2014 ⑪ ― 2014年10月20日 11:45
★今年は「アレックス・デ・ラ・イグレシア特集」が組まれ、監督、製作に関わった4作が上映されました。新作『スガラムルディの魔女』、ドキュメンタリー『メッシ』、旧作『ビースト 獣の日』が監督作品、唯一『トガリネズミの巣穴』だけが製作者の側に立った。鑑賞しなかった旧作以外の『メッシ』と『トガリネズミの巣穴』のQ&Aに参加しましたご報告と感想、まずは鑑賞した順に『メッシ』から。
予想以上に楽しかった『メッシ』
A: コミック・オタク少年だった監督がどうしてメッシのドキュメンタリーを撮ろうとしたのか、それが一番聞きたかった。でも映画が進行するにつれて聞く必要ないな、と思いましたね。つまり二人はよく似ている、いったいどこが、その<カイブツ>ぶりですよ。
B: 製作理由を尋ねられて「製作会社メディアプロの持ち込み」と説明していました。でもちゃんとドラマになっていて、感動して泣いてるお嬢さんもいたりして。
A: ちょっとウルウルしましたね。あの日は5本予定しており、『エル・二ーニョ』で満腹するだろうから中休みしようと考えていたんです。しかし監督が来るというし、紹介記事も書いたことだし、と思い直して正解でした。(データはコチラ⇒7月3日にアップ)
B: 公開すれば『スガラムルディの魔女』より集客できると監督もメディアにアピールしていました。

A: 日本でもメッシ・ファンのサッカー少年が相当います。その証拠にメッシの名前と背番号入りのバルサのユニフォームを着たチビッコを街中で見かけます。バルサに行く前のロサリオ時代の映像が結構ありましたから子供は喜ぶかも。小学校高学年になれば全部は無理でも字幕が追えるのではないですか。大人の付き添いも必要、つまり親子で楽しめる。
B: 本格派は実際の試合を見るほうを選ぶから、「この映画でメッシがアルゼンチン出身だと初めて知りました」と質問したような方向きです。
A: さすがにこの質問にはビックリです。ワールド・カップが終わったばかりなのにね。私は、そういうサッカーオンチも見に来てくれたんだと逆に感動しました(笑)。
B: 久方ぶりの南米大会でしたのにアルゼンチンもブラジルもイマイチで歯痒かった。やはり特定の天才プレーヤーに頼るサッカーでは欧州の組織サッカーには勝てない。
A: さて本題に戻って、出演者一同を或るレストランに集めて食事しながらメッシを語ってもらう趣向。子供時代のプレイと現在のプレイを上手くダブらせ、そこにフィクション部分を挿入していくという構成でした。
B: メッシの生れたロサリオとバルセロナにある似たような2軒のレストランに集まってもらったようです。アルゼンチンとスペインでは遠すぎて一堂に会するのは無理です。
A: 説明受ければ「そういえば1軒では不自然だった」と気がつきます。編集作業は大変だったでしょう。
サッカー以外は興味がない?
B: 子供時代のエピソードが面白かった。メッシのお兄さんが子供サッカーチームのメンバー、お祖母さんが欠かさず試合にはメッシを連れて応援に行っていた。ある時、選手が一人足りなくて試合が成立しない。そこでピンチを救うべく出場した。
A: 主催者が「そんな小さい子はダメダメ」というのをお祖母さんがやっと説得して許された。そしたらなんとゴールしちゃって、やはり天才だったというオチ。
B: 今でもゴールすると写真のようなパフォーマンスがトレードマークだけど、天国で見ているお祖母ちゃんに「ゴールしたよ!」と報告してるんだとは知りませんでした。

(天国のお祖母さんにゴールを知らせている)
A: 本格ファンは御存じなんでしょうが。成長ホルモン分泌不全性低身長症の克服美談はもう有名ですけど、勉強はあまり好きでなかったし、ゲームも強くなかったみたいだ。
B: デ・ラ・イグレシア監督が一応取材を申し込んで時間と場所まで決めていたのにすっぽかした。後で理由を聞いたら、チームに相談したら「取材を受けてもいいし、他のことをしても好きにしていいよ」と言われたので、他のことをしていた(笑)。
A: サッカー以外は興味がないようだと監督も苦笑していた。
なりたい選書はマラドーナ
B: インタビュアーに「どんな選手になりたい?」と聞かれて、マラドーナを挙げていましたが祖国の英雄だから、これ以外に答えようがないですよ。
A: 十代の頃受けたインタビューだし、今も同じかどうか分からないか。
B: 共通項は小柄、背が低くても一流になれることを証明してくれている選手。
A: サッカーは背の高さや足でやるのではなくアタマでやるということが分かりました。お揃いのユニフォームを着た一粒だねが自慢のお父さん選手でもあります。

B: もう3日間寝ていないわりには元気でした。「眠らない街」新宿歌舞伎町の夜のゴールデン街も体験したようです。
A: スペインの通信社EFEの取材も受けたようで、新宿や渋谷の繁華街はニューヨークにも劣らない。仮にここで映画を撮るとしたらホラーまたはスリラーだと。はっきり言えるのは、夜の映画だ、なぜならこの街の美しさは夜とネオンにあるからだそうです。ネオンの街には妖しい刺激と活力を受けたようです。
B: ゲストに招んでくれたことを誇りに思うと、主催者への感謝も忘れなかったですね。

(目指す選手はマラドーナです、と答えるメッシ少年)
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