『ビースト 獣の日』アンヘル神父アレックス・アングロ逝く ― 2014年07月21日 22:34
アレックス・アングロ逝く
★以前、管理人がよくお邪魔していたブログCabinaさんから「アレックス・アングロ急死」の訃報が届きました。 7月20日午後15:30(現地時間)、リオハの国道で交通事故に遭遇して亡くなった。ハンドルを握っていたのはご自身らしい。アレックス・デ・ラ・イグレシアの作品で日本のファンにもお馴染みでした。名脇役者として新旧の監督に起用されたことは、公開未公開も含めて指折り数えたら結構な数になったことでも分かります。ここに哀悼の意をこめて急遽UPすることに致します。訃報を聞いた「ビースト 獣の日」の監督アレックス・デ・ラ・イグレシアは、一言「神さま・・」と絶句したと。本当に人生は儚いものです。
(彼の誠実な人柄が知れるいい写真です)
★以下は劇場公開・映画祭上映・DVDなど(製作順):
①1992 「ハイルミュタンテ!電撃XX作戦」 アレックス・デ・ラ・イグレシア 公開1994
②1994 「わが生涯最悪の年」 エミリオ・マルティネス・ラサロ スペイン映画祭1997
③1995 「ビースト 獣の日」 アレックス・デ・ラ・イグレシア 公開1995
④1996 「17歳」 アルバロ・フェルナンデス・アルメロ 未公開・ビデオ・テレビ放映
⑤1997 「ライブ・フレッシュ」 ペドロ・アルモドバル スペイン映画祭1998上映 公開1998
⑥1999 「どつかれてアンダルシア」 アレックス・デ・ラ・イグレシア 公開2001
⑦2001 「マイ・マザー・ライクス・ウーマン」 ダニエラ・フェヘルマン&イネス・パリス
東京国際レズ&ゲイ映画祭2003/第1回ラテンビート2004上映
⑧2006 「パンズ・ラビリンス」 ギジェルモ・デル・トロ 公開2007
★漏れがあるかもしれませんが、チョイ役も含めて結構あります。なかでも多くのファンの記憶に残るのは「ビースト 獣の日」のアンヘル神父ですね。珍しく主役でゴヤ賞1996ベスト男優主演賞ノミネート、オンダス賞とスペイン俳優組合賞の二つで受賞しました。ゴヤ賞がらみでいうと、「どつかれてアンダルシア」、未公開作品オスカル・アルバルの“El Gran Vázquez”(2010)で助演男優賞にノミネートされました。残念ながらゴヤ賞は受賞歴なしです。
(「ビースト 獣の日」共演のアルマンド・デ・ラッツァとサンティアゴ・セグラに挟まれて)
★日本でもロングランになった「パンズ・ラビリンス」では、ゲリラ側にたつ医師に扮し、それが発覚して卑怯にも背後から撃たれて死ぬ役でした。本作についてはカビナさんが詳しい紹介をしております。他にも「マイ・マザー・ライクス・ウーマン」、“El Gran Vázquez”なども。前2作については、管理人も本ブログと同じハンドルネームでコメントしています。
*キャリア紹介*
★アレックス・アングロ Alejandro ≪Alex≫ Angulo Leon :1953年4月12日、ビスカヤ県のエランディオErandio 生れ、俳優、2014年7月20日死去、享年61歳。最初は教職を目指していたが、23歳のとき自分のやりたいことは演技者と気づき進路変更を決意した。舞台俳優から映画、テレビと活躍の場を広げ、トータルで短編、テレビを含めると90作以上になる。映画はバスク映画界を牽引してきたイマノル・ウリベのETA三部作“La fuga de Segovia”(1981未公開)でデビュー、実話に基づくドキュメンタリー手法で撮られた力作です。
★アングロの人柄は、不屈、誠実、礼儀正しい教養人と、映画の登場人物に似ていて、悪口は聞こえてきませんでした。映画をご覧になった方は異を唱えないと思います。長寿テレドラ・シリーズ“Periodistas”の共演者ホセ・コロナドも「彼ほど大きな心をもった人を知らない・・・友よ、安らかに」とコメントを寄せています。コロナドはエンリケ・ウルビスの『悪人に平穏なし』(2011)の主役になった俳優、アングロは出演しませんでしたが、ウルビスの初期のコメディ“Tu novia está loca”(1988)、“Todo por la pasta”(1990)に出演していました。本ブログでご紹介したことがあります⇒コチラ。
★纏まらない記事ですが、取りあえずUPしておきます。これからなのに、本当に残念です。
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