第86回アカデミー賞2014*エステバン・クレスポ ― 2014年03月04日 16:05
第86回アカデミー賞2014*エステバン・クレスポ
★昨年の秋から話題提供の米国アカデミー賞授賞式がやっと終わりました。下馬評通り何のサプライズもなかった印象です。『ゼロ・グラビティ』の7個は貰いすぎですかね。しかし、これは何作か見た3Dの中では出色のできばえでした。
★短編映画賞部門にエステバン・クレスポの“Aquel no era yo”(“That
Wasn’t me”2012、25分)が、唯一最終候補5作に残っていたのでしたが、こちらは本命視されていたデンマークのAnders Walter 監督の手に渡りました。短編としてはスペイン初ノミネートだったようです。「ペネロペ・クルスがプレゼンターとして登壇したら」と期待を寄せていたスペイン・マスコミも残念でした。このジョークは、オスカー受賞の『オール・アバウト・マイ・マザー』のプレゼンターがペネロペとバンデラスだったからです。二人が現れた瞬間、アルモドバルもファンも受賞を確信しましたから。
★エステバン・クレスポ Esteban Crespo García:1971年マドリード生れ、監督・脚本家・製作者。
2005年の“Siempre quise trabajar en una
fabrica”でデビュー以来一貫して短編映画を撮りつづけている。第1作がバルセロナ短編賞、第2作“Amar”(05)がポルトガル短編映画賞、第4作“Lala”(09)が翌年ゴヤ賞にノミネート、第5作“Nadie tiene la culpa”(11)がモントリオール映画祭審査員賞受賞、第6作目となる本作でハリウッドの晴れの舞台に立つことになりました。
★“Aquel
no era yo”は、2012年のマラガ映画祭短編映画賞・監督賞受賞、主人公の少年兵士フアンホになったグスタボ・サルメロンも主演男優賞を受賞した。2013年ゴヤ賞受賞作品。アフリカの少年兵士たちに襲いかかる悲劇の物語、クレスポによると、現在25万人以上の子供たちがオモチャの代わりに武器を持たされているという。数えきれないNGOの協力を得て出来た作品であるが、鑑賞したアムネスティ・インターナショナルや学校の巡回上映会で見た子供たちを惹きつけているという。「ここ(スペイン)で生れていたら、友達とサッカーのボールを蹴って遊んでいたはず」と監督。オスカー像を持って来られなかったけれど、スペインにはこんな映画を撮っている監督もおりますと紹介したかった。
最近のコメント