グラシア・ケレヘタ”15 años y un día”*ゴヤ賞2014 ― 2014年01月26日 11:26
★作品賞にノミネートされている5作品のうち未紹介アラカルト(1)
*“15 años y un día”(15 Years and One Day)*
製作:Tornasol Films S.A. / Castafiore Films S.L. ヘラルド・エレーロ (作品賞ノミネート)
監督:グラシア・ケレヘタ (監督賞ノミネート)
脚本:グラシア・ケレヘタ、アントニオ・メルセロ
撮影監督:フアン・カルロス・ゴメス (撮影賞ノミネート)
音楽:パブロ・サリーナス、アロン・ピペル、セシリア・フェルナンデス・ブランコ
(歌曲賞ノミネート、“Rap 15 años y un día”)
キャスト:ティト・バルベルデ(マックス)/マリベル・ベルドゥ(マルゴ)/アロン・ピペル(ホン)/ベレン・ロペス(アレド)/スシ・サンチェス(カティ)/ボリス・クカロン(トニ)/パウ・ポチ(ネルソン)/スフィア・モハメド(エルサ)他
*上記以外のノミネート:ティト・バルベルデ(主演男優賞)、マリベル・ベルドゥ(助演女優賞)、ベレン・ロペス(新人女優賞)合計7部門
データ:スペイン・スペイン語 2013 96分 ドラマ 撮影地 Alacant(バルセロナ市)
オスカー賞2014スペイン代表作品、モントリオール映画祭2013出品、サンセバスチャン映画祭メイド・イン・スペインで上映、他。
*受賞・ノミネート歴*
*マラガ映画祭2013「金のジャスミン」作品賞・「銀のジャスミン」脚本賞
*シネマ・ライターズ・サークル賞2014(スペイン)ノミネート:作品賞・監督賞・男優賞・助演女優賞・脚本賞・新人女優賞
プロット:思春期の混乱の中にある若者ホンと退役軍人の祖父マックスの物語。母親のマルゴはホンが退学処分を受けると、息子の将来を考えてコスタ・デ・ラ・ルスの小村で暮らす父に託そうと決心する。危険な年頃の孫、退役後の人生を静かに心地よく暮らしたい祖父、二人は互いに抑制と不安を抱えて向き合うことになる。
★グラシア・ケレヘタ Gracia Querejeta 監督については若干「ゴヤ賞2014ノミネーション①」で写真とともにご紹介しております。1962年、大物プロデューサーだった父エリアス・ケレヘタと母マリア・デル・カルメン・マリンとの間にマドリードで生れる。母親はマイキ・マリンMaiki Marínの名でサウラやエリセの作品を手掛けている衣装デザイナー、娘の映画もデビュー以来ほぼ全作に携わっています。さしずめ両親の「七光り」という幸運の星の下で映画人生を始める。女優には全く興味がなく、マドリード・コンプルテンセ大学で古代史を専攻した。
*主要長編作品*
1992年 Una
estación de paso バジャドリード映画週間特別審査員賞受賞
1994年 El último viaje de Robert Rylands シネマ・ライター・サークル賞
(作品・監督・撮影・音楽・編集)を受賞
1999年 Cuando vuelvas a mi lado サンセバスチャン映画祭特別審査員賞(監督)、撮影賞を受賞
2004年 Héctor マラガ映画祭金のジャスミン作品賞、女優賞(アドリアナ・オソレス)受賞
2007年 Siete mesas de billar francés ゴヤ作品賞・監督賞ノミネート。
主演女優賞(マリベル・ベルドゥ)、助演女優賞(アンパロ・バロ)受賞
*ドキュメンタリー、短編、2007年からテレビ・シリーズ多数。特に2007年からはテレビの仕事が多い。昨年の暮、新しいTV シリーズがクランクアップしたばかり、今年お茶の間に登場する。
★テーマに家族を取り上げることが多いせいか、本作がオスカー賞2014スペイン代表作品に選ばれた際の記者会見でも同じ質問がでた。「こういうテーマが好きなこともあるが、息子が2歳くらいのとき夫と別れた。一人で子供を育てるのは常に不安で、息子との関係も緊密すぎてぎすぎすしたものがあった。家族のテーマを追求するなかで不利な点や複雑さを解消して喜びや利点に変えるべきだと考えるようになった」と語っている。マラガ映画祭でも「4年前に息子の身の上に起こった私自身の恐怖が織り込まれている」とも。スペインの若者は夢を見ることができなくなっており、彼らを取りまく環境はゾッとするようなものということです。これはスペインに限りませんね。
★本作は父エリアス・ケレヘタのプロデュースなしで作られた最初の作品だが、今後も父の助けなしで作ることになる。次回作はマリベル・ベルドゥを主役にして、タイトルも“Felices 140”に決まり、6月には撮影に入るということです。
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