第28回ゴヤ賞2014ノミネーション発表③ ― 2014年01月14日 16:30
*新人監督賞*
フェルナンド・フランコ Fernando Franco García “La herida”
ネウス・バリュス Neus Ballús “La plaga”
ホルヘ・ドラド Jorge
Dorado “Mindscape”
ロドリーゴ・ソロゴイェン Rodrigo
Sorogoyen “Stockholm”
★トレビア:
*どれも予告編しか見てないのにフェルナンド・フランコを予想するのはどうかと思うが、下馬評から浮かび上がるのはやはり彼ですね。見ていて辛い映画のようですが、“La herida”は他に作品賞・主演女優・編集・録音と5部門にノミネートされています。サンセバスチャン映画祭正式出品作品、主演女優賞のマリアン・アルバレスを含めて既に記事を紹介しております。
*ネウス・バリュスの“La
plaga”は、ガウディ賞(カタルーニャ語部門)の作品賞候補ですが弱いかな。スペイン・アカデミー会員の多くはスペイン語話者だから不利かもしれない。ノミネートもこれ一つです。
*ロドリーゴ・ソロゴイェンの“Stockholm”は、他にアウラ・ガリードが主演女優賞、ハビエル・ペレイラが新人男優賞と3部門にノミネート、ガリードはフォルケ賞の女優賞候補にも選ばれています。
*ホルヘ・ドラドの“Mindscape”は、これ一つだけのノミネートです。
*新人女優賞*
ベレン・ロペス Belén López “15
años y un día” 監督:ガルシア・ケレヘタ
オリンピア・メリンテ Olimpia Melinte
“Caníbal” 同マヌエル・マルティン・クエンカ
マリア・モラレス María Morales “Todas las mujeres” 同マリアノ・バロソ
ナタリア・デ・モリナ Natalia de
Molina “Vivir
es fácil con los ojos cerrados”
同ダビ・トゥルエバ
★トレビア:助演以上に予想はむずかしいか。
*ベレン・ロペス、ナタリア・デ・モリーナの二人は作品紹介で、オリンピア・メリンテはトロント国際映画祭出品作としてご紹介した“Caníbal”にワープして下さい。
*マリア・モラレスが新人枠というのも若干違和感がありますね。TVシリーズで既にお茶の間に浸透していますし、以前に出演したサンチェス・アレバロの『デブたち』では、これ以上は太れないほど頑張ったのでした。アルモドバルの『アイム・ソー・エキサイテッド』は客室乗務員というチョイ役でしたが。1975年コルドバ生れ、テレビ界出身です。実は本作は2010年のTVミニ・シリーズ(6エピソード)の映画化です。監督もキャストも同じメンバー、彼女は主人公ナチョ(エドゥアルド・フェルナンデスが主演男優にノミネート)をめぐる女性の一人マルガに扮します。複雑な人格をもつナチョの物語ですが、彼をとり囲む女性たちlas mujeres(愛人、母、女性精神科医、元恋人、義妹など)の物語でもあります。出番はそれほど多くないそうですが、下馬評ではいい感触です。男性票をどれだけ集められるかによると思いますが、本作は他に脚色賞・助演女優と重要セクション4つに絡んでいます。
(写真下はマリア・モラレス、“Todas las mujeres”から)
*新人男優賞*
ベルト・ロメロ Berto Romero “3 bodas de más” 監督:ハビエル・ルイス・カルデラ
Hovik Keuchkerian “Alacrán
enamorado” 同サンティアゴ・サンノウ
パトリック・クリアド Patrick Criado “La gran familia española”
同ダニエル・サンチェス・アレバロ
ハビエル・ペレイラ Javier Pereira “Stockholm” 同ロドリーゴ・ソロゴイェン
★トレビア:誰がゲットするか楽しみなセクションです。
*Hovik Keuchkerian はなんて発音するのでしょうか(ホビック・コイヒケリアン?)。1972年レバノン共和国の首都ベイルート生れ。父親はドイツ人、母親がナバラのスペイン人、3歳からマドリードの北西に位置するアルペドレテ(エル・エスコリアルがあるところ)で育つ。元ヘビー級チャンピオンのボクサー、KO勝ち15回という凄い記録をもっている。2004年引退後は詩人(数冊出版アマゾンで入手できる)、コメディアン、俳優として活躍している異色の人物。本作はボクサー物語ですが、本物のボクサーは「僕一人」と言ってます。
(写真下は“Alacrán enamorado” から)
*“3
bodas de más”のベルト・ロメロが本命らしい。1974年バルセロナ生れ、TVシリーズ“Buenas noches y Buenafuente”の監督でもある。彼が“新人”というのも意外ですが、ハビエル・ルイス・カルデラ監督の“Epanish Movie”(2009)が映画デビューだから確かに新人です。写真は“3 bodas de más”のワンシーンから。『ブリジッド・ジョーンズの日記』スペイン版ということでインマ・クエスタの熱演も話題になっています。
*パトリック・クリアドは作品紹介で。
★フォルケ賞2014発表
*作品賞は、“La
herida” (フェルナンド・フランコ監督)。
*女優賞は、“La
herida”出演のマリアン・アルバレス
*男優賞は、“Todas
las mujeres”出演のエドゥアルド・フェルナンデス
作品賞・女優賞は予想どおりでしたが、ハビエル・カマラは涙を飲みました。ゴヤ賞でリベンジして下さい(笑)。トレビアは後ほど別枠でアップ致します。
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