第28回ゴヤ賞2014ノミネーション発表② ― 2014年01月13日 16:57
*最優秀主演女優賞*
インマ・クエスタ Inma Cuesta “3
bodas de más” 監督:ハビエル・ルイス・カルデラ
マリアン・アルバレス Marian Alvarez “La herida” 同フェルナンド・フランコ
アウラ・ガリード Aura
Garrido “Stockholm” 同ロドリーゴ・ソロゴイェン
ノラ・ナバス Nora
Navas “Tots
volem el millor per a ella”(“Todos queremos lo mejor para ella”) 同マル・コル
★トレビア:インマ・クエスタ以外の3人は、フォルケ賞(1月13日発表)、ガウディ賞(2月2日発表)にノミネートされています。マリアン・アルバレスとノラ・ナバスは両賞に、アウラ・ガリードはフォルケ賞にノミネート、こちらは日本時間だと明日には判明します。マリアン・アルバレスは本作でサンセバスチャン映画祭の銀貝女優賞を受賞、ノラ・ナバスはアグスティ・ビリャロンガの『ブラック・ブレッド』で2011年に女優賞を受賞しております。今回は本作のノミネーションはこの部門だけと寂しい(というわけでジャケ写をアップしました)。インマ・クエスタはサンチェス・アレバロの『マルティナの住む街』で映画デビュー、ベニト・サンブラノの“La voz dormida (2012ゴヤ主演女優賞候補)、『ブランカニエベス』の母親役と、映画にテレビに快進撃は止まらない。ただマリアン・アルバレスが最も賞に近いかな。
*最優秀主演男優賞*
ティト・バルベルデ Tito Valverde“15
años y un día” 監督:ガルシア・ケレヘタ
アントニオ・デ・ラ・トーレ Antonio
de la torre “Caníbal”同マヌエル・マルティン・クエンカ
エドゥアルド・フェルナンデス Eduard Fernández“Todas las mujeres”同マリアノ・バロソ
ハビエル・カマラ Javier Cámara“Vivir es fácil con los ojos cerrados” 同ダビ・トゥルエバ
★トレビア:ティト・バルベルデ以外の3候補者は、フォルケ賞、ガウディ賞などにノミネートされています。この3人は演技派というか実力は実証済みですが、対抗馬の巡り合わせが悪かったり、器用貧乏なところがあって(カメレオン俳優というのかな)賞には恵まれていない。特にアントニオ・デ・ラ・トーレは昨年に続いて主演・助演ノミネートだが悪い予感がする。エドゥアルド・フェルナンデスはゴヤ賞がらみだと2002年フェルナンド・レオンの“Fausto 5.0”で主演、2004年セスク・ガイの“En la ciudad”で助演男優賞を受賞している。ハビエル・カマラにいたってはノミネートのオンパレード、ゴヤには嫌われている。希望的観測になりますが、アントニオ・デ・ラ・トーレかハビエル・カマラのどちらかを予想します。
*最優秀助演女優賞*
スシ・サンチェス Susi Sánchez
“10.000
noches en ninguna parte”
監督:ラモン・サラサール
マリベル・ベルドゥ Maribel Verdú “15
años y un día” 同ガルシア・ケレヘタ
テレレ・パベス
Terele Pávez “Las
brujas de Zugarramurdi”
同アレックス・デ・ラ・イグレシア
ナタリエ・ポサ
Nathalie Poza “Todos
las mujeres” 同マリアノ・バロソ
★トレビア:このセクションは皆目予想できない。
*『靴に恋して』のラモン・サラサールの名前を見て「やあ、お久しぶり」の感が深い。ゴヤ賞2003年新人監督賞ノミネート作品、日本でもファンが出来たのに何しろ寡作で、本作が長編3作目です。肝心のスシ・サンチェスは1955年バレンシア生れ、ビセンテ・アランダの『女王フアナ』(2001)でイサベラ女王に扮した他、ペルーのクラウディア・リョサの『悲しみのミルク』、“15
años y un día”にも出演してますが、なんとゴヤ賞ノミネーションは初めてのようです。
*ナタリエ・ポサは1972年マドリード生れ、テレビ界で活躍の後、“El otro lado de la cama”(2002)で映画デビュー。ゴヤ賞はダビ・セラーノの“Días de fútbol”(2003)で助演女優賞、マヌエル・マルティン・クエンカの“Malas temporadas”(2005)で主演女優賞にノミネートされています。
*最優秀助演男優賞*
カルロス・バルデム Carlos Bardem “Alacrán enamorado” 監督:サンティアゴ・サンノウ
フアン・ディエゴ・ボット Juan Diego Botto “Ismael” 同マルセロ・ピニェイロ
アントニオ・デ・ラ・トーレ “La gran familia española”
同ダニエル・サンチェス・アレバロ
ロベルト・アラモ Roberto Alamo “La gran
familia española”
★トレビア:助演というのは予想が難しい。他のセクションとの兼ね合いもあって当たらない。
*カルロス・バルデムは役者と小説家の二足の草鞋を履いている特異な存在、弟ハビエルが国際的には有名だが、『第211号監房』のアパッチ役は忘れがたい。本作には弟も出演している。サンノウ監督と脚本を共同執筆、より興味深いのは監督のほう。人気ヒップホップ・グループ「ラ・エセプシオン」のリーダー、エル・ランギを起用して撮った『クアホ、逆手のトリック』(2008)は2009年ゴヤ賞ガラの話題を攫い、新人監督賞・新人男優賞・オリジナル歌曲賞を受賞しています。本作は長編第2作目、他に脚色賞・新人男優賞・美術賞の4部門にノミネート、今年ぜひ観たい映画の1本、最後の作品紹介で魅力をお知らせ出来ればと思っています。
*フアン・ディエゴ・ボットは1972年ブエノスアイレス生れ、アルゼンチン=スペインの二重国籍をもっている。その甘いマスクとはマッチしない骨太作品が多いのは、軍事独裁時代に父親が行方不明者になった経歴が背景にあるようです。ゴヤ賞は今回で5回目、すべてノミネートで終わっています。ピニェイロ監督については“El método”(2005)を参照してください。
*サンチェス・アレバロ組の2人は作品紹介で。
★次回は新人監督賞・男優・女優賞など。
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