第28回ゴヤ賞2014ノミネーション発表① ― 2014年01月12日 22:37
★1月7日にゴヤ賞(27部門)ノミネーションの発表がありました。取りあえず主要部門の作品名、監督名を列挙しておきます。フォルケ賞やガウディ賞のノミネーションなどで既にご紹介の映画も多く、そちらにワープ出来るようにしました(ゴチック体)。授賞式は2月9日、ガラ会場は前回と同じマドリードのホテル・オーディトリアム、総合司会はエバ・アチェに代わってジャーナリストでショーマンのマネル・フエンテスManel Fuentesになりました。例年通り栄誉賞は昨年中にハイメ・デ・アルミニャンに贈られることが決定しております。
*最優秀作品賞*
15 años y un día トマソル・フィルム(ヘラルド・エレーロ)他 ≪7ノミネート≫
Caníbal ラ・ロマ・ブランカ P.C. S.L.(マヌエル・マルティン・クエンカ)他
≪8≫
La gran
familia española アトレスメディア・シネ(ミケル・レハルサ)他 ≪11≫
La herida コワルスキ・フィルム S.L.(コルド・スアスア)他
≪6≫
Vivir es fácil con los ojos
cerrados F.トゥルエバ P.C. S.A.(クリスティナ・ウエテ他)≪7≫
*最優秀監督賞*
マヌエル・マルティン・クエンカ Caníbal
グラシア・ケレヘタ 15 años
y un día
ダニエル・サンチェス・アレバロ La gran
familia española
ダビ・トゥルエバ Vivir
es fácil con los ojos cerrados
★例年候補作品、候補者は4つに絞られるが今年は作品賞のみ5作品になっています。主要2部門は重なることが常ですが、今年も例年通りとなりました。“La herida”はフェルナンド・フランコ・ガルシア監督デビュー作品ということで新人監督賞のほうに廻りました。“La gran
familia española”の11個が最多となっており、ここいら辺がまず常識の範囲かと思います。昨年のような『ブランカニエベス』の18部門ノミネート10部門制覇、『ふたりのアトリエ』13部門ノミネート無冠にはちょっと白けましたからね。今年は一極集中はなさそうですが予想は難しい。
★グラシア・ケレヘタの“15 años y un
día”は2014年オスカー賞のスペイン代表作品に選ばれましたが最終候補に残れませんでした。4月のマラガ映画祭グランプリ作品ですから、かなり前になるのでアカデミー会員の記憶が薄れて不利かもしれない。昨年6月鬼籍入りした大物プロデューサー、エリアス・ケレヘタの一人娘、本作と同じマリベル・ベルドゥを起用した“Siete
mesas de billar frances”(2007)がゴヤ賞2008で監督賞・作品賞ノミネーション、マリベルが主演女優賞を手にしたのでした。父エリアス・ケレヘタについては、いずれきちんとご紹介したい。エリセの『ミツバチのささやき』、サウラの『カラスの飼育』グティエレス・アラゴンの『激しい』、フェルナンド・レオンの『月曜日にひなたぼっこ』など、彼なしでスペイン映画史を語ることはできないと考えるからです。
★ダビ・トゥルエバの“Vivir es fácil
con los ojos cerrados”の製作者クリスティナ・ウエテは、フェルナンド・トゥルエバ夫人、監督と二人三脚で彼のほぼ全作品を支えてきたプロデューサー。夫唱婦随でなく婦唱夫随が正しいと評判のようです。従ってダビ・トゥルエバ監督には義理のお姉さんになるわけです。衣装デザイン賞ノミネートのララ・ウエテは姉妹、未だにスペイン映画界は家内工業的です(笑)。ゴヤ賞がらみでは『美しき虜』(1998)で作品賞、『チコとリタ』(2010)でベスト・アニメーションを受賞しています。プロデューサーは陰の実力者で表に出てこないので写真が少ないのですが、掲載写真は第20回カセレス・スペイン映画祭(2013年3月)「サン・パンクラシオ栄誉賞」を受賞したときのもの。
★作品紹介は最後に纏め、次回は最優秀女優賞・男優賞の予定です。
最近のコメント