フアン・アントニオ・バヨナ国民映画賞受賞2013年08月20日 09:23

★フアン・アントニオ・バヨナ国民賞受賞
当ブログ開設前のニュースですが(7月22日)、『インポッシブル』の「フアン・アントニオ・バヨナ、2013年国民賞(映画部門)受賞」が報じられました。監督・俳優・製作者・脚本家・音楽家など、本年度活躍したシネアストに贈られる栄誉賞です。賞金は30.000ユーロと多くないのですが格式のある賞です。古くは2人受賞もありましたが1995年からは1人です。因みに1980年第1回目の受賞者がカルロス・サウラでした。最近の受賞者をピックアップしますと、監督では2011アグスティ・ビリャロンガ(『ブラック・ブレッド』)、2010アレックス・デ・ラ・イグレシア(『ラスト・サーカス』)、俳優では2009マリベル・ベルドゥ(『パンズ・ラビリンス』『テトロ』)、2008ハビエル・バルデム(『ノーカントリー』)など。

「もう驚いて信じられませんでしたが、今は幸せいっぱいです」と語るバヨナは38歳。世代交代が顕著なスペイン映画界でも監督受賞者としては最年少でしょう。海外での活躍、年がら年中危機が叫ばれるスペイン映画界の救世主、観客は言うまでもなく口うるさい批評家からの評価も高く、第1作『永遠のこどもたち』の成功も加味されたか。最も期待される若手監督の一人であることは確かです。(写真:フアン・アントニオ・バヨナ)


★アルベルト・ロドリーゲス新作発表
「ゴヤ賞2013予想と結果①」でもご紹介した“Grupo 7”(“Unit 7”)のアルベルト・ロドリーゲスの第6作目“La isla minima”が今秋クランクインすることになりました。セビーリャ南方約30キロ、グアダルキビル川の低湿地にあるミニマ島がタイトルになっています。この島で起きた若い女性の行方不明事件は遺体の発見を機に殺人事件に発展していくというスリラー。「生と死と救い」の要素がミックスされているとのこと。脚本は前回同様ラファエル・コボスと監督自身、キャストは目下選考中ということです。最近42歳になったばかりの監督、『7人のバージン』や“After”を撮ったときのようなプレッシャーは感じていない由。